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ソニー株式会社執行役員前副社長
吉岡 浩
SONY

並木さんと出会ったのは、2006年。私がソニーエリクソンの副社長の任期を終え、ソニーのオーディオ事業本部長をしている時でした。当時のオーディオ事業、ひいてはソニー全体の課題として私が強く感じていたのは、技術立脚の商品開発から、消費者起点の商品開発への転換の必要性でした。ソニーには、高い技術力への強い自負があり、自分達が良いと思う技術は売れるはずという風土があったように思います。しかし、時代はよりユーザーの感性とのフィットを求めていました。オーディオ事業の領域では、「Walkman」と「i-pod」の対比がその象徴でしょう。このソニーのものづくりの根幹部分の改革を、当時大手外資系コンサルティング会社にいらした並木さんとそのチームのサポートを得て行いました。世界規模での消費者の本音調査〜セグメンテーション〜個別マーケティング4P施策の立案まで、従来の商品開発プロセスの転換を、並木さんは独自の消費者調査手法を駆使して、主導してくれました。何より印象的だったのは、一年間のプロセスを通じて、最後はオーディオ事業本部の社員たちがこの手法に希望を感じ、共感し、熱くなり、自ら変革を実現していってくれたことでした。2008年より着任したテレビ事業本部長のポストでも、同じ手法を実践し、テレビ事業本部の意識変革の実現に成功しました。2009年からはソニー本社の副社長として、新たな時代のニーズにマッチした形での復活と成長に向けたソニー全体の変革プランを推進していますが、並木さんには今でも私の夢を形にしていく上で協力をしてもらっています。